NBDモデルの使い方について 計算結果を出すまでの導出過程を紹介

NBDモデル_ケーススタディ_導出過程 データアナリティクス

この記事はNBDモデルの計算過程を切り出したページです.
NBDモデルについて知りたい方は下の記事を読んでください.

NBDモデルの概要についてはこちらの記事を確認ください

この記事ではNBDモデルを使って日本マクドナルドを分析したときの計算過程を紹介します.

マクドナルドの延べ購入者数(年間)

14億人

日本マクドナルドに在籍していたこと、年間の来店お客さま数は延べおよそ14億人

p.168『シンプルで合理的な意思決定をするために「ファイナンス」から考える!超入門』

なかなか手に入らないデータでしたが、公認会計士の梅澤真由美さんの著書にマクドナルドの年間延べ購入者数の情報が載っていました。梅澤さんは2007年〜2012年の約5年間をマクドナルドで勤務されていました。およそ14億人はその5年のいずれかの時期を言及したのでしょう。

残念ながらいつが14億人だったかどうか書かれていなかったため、今回はこの5年は延べ購入者数が14億人だったと仮定しました。そして、その他の3点の必須データが充実していた2011年を分析対象としました。

マクドナルドで商品を購入する可能性がある人数(年間)

7,469万1,240人

購入する可能性があると遠回しな表現をした理由として、この人数にはマクドナルドで商品を買える選択肢があったにも関わらず買わなかった人、つまりは年間0回マクドナルドを利用した人も含めるからでした。

マクドナルドで商品を買うには物理的な距離に店舗がなければそもそも購買できません。そのため店舗を中心とした商圏人口を参考に「マクドナルで商品を購入する可能性がある人数」を推計してみました。

1つのハンバーガー店が経営するのに必要な商圏人口はおよそ3~5万人とされています。

ハンバーガー|必要人口|3〜5万人

ビジネスのキホン!! あなたの「商圏」の理解、大丈夫?

ここで2011年(平成23年)にマクドナルドが日本全国に何店舗あったか見てみます。

合計店舗数|3,302店

2011年度12月期 日本マクドナルドホールディングス株式会社 決算短信

2011年の時点で日本全国に3,302店舗あったそうなので、1店舗あたり5万人で計算すると日本人口を超えてしまった。 1店舗あたり3万人を相手に経営していると仮定すると以下のようになる。

$$ 3,302(店舗) × 30.000(人) = 99,060,000人(=9,906万人) $$

マクドナルドほどの食のインフラを持っていると、9,906万人の人口をカバーできても不思議でない。(と思います。ここらへんは感覚的に離れていないかも重要)
しかし、9.906万人は0~100歳くらいまですべての年齢層を含んだ値であるため、マクドナルドを利用する可能性がある適切な年齢層に調整する必要があります。

マクドナルドはそのビジネスから対象年齢は絞らず、老若男女問わず使用することができます。ここでは年少人口(0~14歳)が支払う金額はその親世代が支払っていると考え、購入可能性がある人数には含めずに計算したいと思います。

また75歳以上の利用者層が少ないことから同じく計算の対象から外します。
(できるだけ計算を簡単にするためこのような計算をしています)

よって、 マクドナルドで商品を購入する可能性がある人数は15歳〜74歳の年齢層に絞られることになります。

$$ 99,060,000人 × (0.633+(0.233-0.115)) = 74,691,240人 (7,469万1,240人)$$

日本国内に7,500万人もの購入見込み客がいると出たが、マクドナルドならありえそう。
そのためこの値を採用しました。

マクドナルドで商品を購入した推計人数(年間)

5,973万4,342人

1年のうちで少なくとも1回以上マクドナルドで商品を購入したことがある人数を求めます。
少なくとも1回以上商品を購入した人数は、延べ購入者数から平均購入回数で割ることで求めらます。

$$ 1,400,000,000(人) / 23.437(回) = 59,734,342人 (5,973万4,342人) $$

2011年度マクドナルドの売上高

5,350億8,800万円

5,350億8,800万円

2011年度12月期 日本マクドナルドホールディングス株式会社 決算短信

この金額は直営店とフランチャイズ店の合計売上高です。
マクドナルドはシステムワイドセールスという集計方法を採用しており、連結経営成績の売上高と値が異なることに注意が必要でした。

購入者1人あたりの売上

8,958円

売上高からマクドナルドで商品を購入した人数を割ることで求められます。

$$ \frac{5,350億8,800万円}{5,973万4,342人} = 8,958円 $$

ファーストフードカテゴリーの平均購入回数

23.437回

23.437回

ファストフード利用(第5回) MyVoice マイボイス株式会社
マーケティング用語:カテゴリーの解説

マーケティングで用いられるカテゴリーとは以下の意味を持ちます。

カテゴリーとは、同じ目的で使用され、同じような方法で便益をあたえる製品・サービスの集まりのこと

p.022『確率思考の戦略論』

例えば、東京ディズニーランドとUSJは同じような便益(行くと楽しい気分になる)を与えてくれるため「テーマパークカテゴリー」に属します。

マクドナルドの場合は、同業種として「MOS」や「ケンタッキー」、「バーガーキング」が挙げられるでしょう。いずれ企業も比較的低価格で商品を提供しており、すぐにお腹を満たしてくれるという便益を与えてくれてます。そのため、マクドナルドは「ファーストフードカテゴリー」に属すると考えました。

「 どれくらいの頻度でファーストフード店に訪れるか 」についてアンケートデータがありました。

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2011年9月1日〜9月5日
  • 回答者数:12,155名
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2011年9月1日〜9月5日
  • 回答者数:12,155名

このアンケートデータを元に平均購入回数を求めてみます。
その結果から回答者は1年で合計28万4,878回ファーストフードを利用していると分かったので、12.155名で割ります。

$$ \frac{284,878(回)}{ 12,155(人)} = 23.437 $$

よって平均購入回数は 23.437 回/年間 となる。
世の中の平均として「およそ2週間に1度ファーストフード店を利用する」らしい。

こちらも外れた感覚はないので、採用しました。

プレファレンス(M)

18.744

プレファレンスは言葉で定義すると「商品に対する好意度」だったが、数式上では $\frac{延べ購入者数}{商品を購入する可能性がある人数}$ と定義される

『確率思考の戦略論』では以下の定義で紹介されていたが、わかりやすいように言葉を言い換えました。

$$プレファレンス(M)= \frac{自社ブランドを全ての消費者が選択した延べ回数}{消費者の頭数}$$

p.058 『確率思考の戦略論』

$$ \frac{1,400,000,000}{74,691,240} = 18.744 $$

パラメータ(K)

0.422

分布の形を決めるKは、Mを求めたあとに計算できます。
NBDモデルの式に、 r = 0, M = 18.744, Pr = 0.20 を代入する。0.20 とはマクドナルドで商品を購入しない(=購入回数 0)という選択をした割合である。これを計算すると、K = 0.422が求まる。

$$ 0.20 = (1 + \frac{18.744}{K})^-K $$